西宮郷は、阪神西宮駅から徒歩で酒蔵を巡れる日本有数の酒どころです。
今回は実際に、白鷹禄水苑→白鹿クラシックス→酒ミュージアム→日本盛 酒蔵通り煉瓦館の順番で歩いてきました。
所要時間は見学や買い物を含めて約3〜4時間。この記事では、実際に歩いたルートや所要時間、各施設の見どころ、初めて酒蔵めぐりをするときの注意点まで紹介します。
西宮郷の酒蔵めぐりは半日で楽しめる
西宮郷は、阪神西宮駅から歩いて酒蔵を巡りやすい地域です。
今回のコースは半日ほど。見学できる施設が多いため、途中で休憩を入れながら回るのがおすすめです。
今回歩いた西宮郷の酒蔵めぐりコース
スタート地点は、阪神電車の西宮駅です。

| スポット | 徒歩目安 | 主な見どころ |
|---|---|---|
| 阪神西宮駅 | スタート | 酒蔵めぐり開始 |
| 白鷹禄水苑 | 約7分 | 酒蔵BAR・展示 |
| 白鹿クラシックス | 約9分 | ショップ・食事 |
| 酒ミュージアム | 約15〜20分 | 酒造り・歴史展示 |
| 日本盛 酒蔵通り煉瓦館 | 約15〜20分 | ガラス工房・ショップ |
| 阪神今津駅 | 約15〜20分 | ゴール |
大阪梅田駅からは直通特急で約15分、神戸三宮駅からは約15分が目安です。乗り換えなしでアクセスできるため、大阪方面からも神戸の中心部からも訪れやすい場所です。
時刻表や駅構内の情報は、阪神電車公式ページをご確認ください。
今回歩いた順路はこちらです。
阪神西宮駅
南口(えびす口・市役所口方面)から駅を出て、東へ進むと国道171号線(札場筋)に出ます。札場筋をそのまま海側へ進み、国道43号線を越えて歩きます。
🚶 徒歩約7分
白鷹株式会社・白鷹禄水苑
最初に立ち寄るのは白鷹禄水苑です。
🚶 徒歩約5分
白鹿クラシックス
白鷹禄水苑を出て、次は白鹿クラシックスへ向かいます。二つの施設は近く、徒歩約5分ほどです。
🚶 徒歩約1分
酒ミュージアム(酒蔵館・白鹿記念酒造博物館)
白鹿クラシックスのすぐ西隣に酒蔵館があります。
🚶 徒歩約15~20分
日本盛・酒蔵通り煉瓦館
酒ミュージアムを出たら酒蔵通り方面へ進み、そのまま東へ向かいます。日本盛までは約1.3km。今回のコースでは、ここがいちばん長い徒歩区間です。
※途中、宮水の井戸が集まる一帯に立ち寄ることもできます。
🚶 徒歩約15〜20分(宮水の井戸場に立ち寄る場合は、その分の見学時間をプラス)
阪神今津駅
日本盛 酒蔵通り煉瓦館を出たら、酒蔵通りを東へ進みます。A-プライスのある角を左に曲がり、そのまま北へ進むと阪神今津駅に到着します。
白鷹禄水苑は、入ってみると見どころが多かった
白鷹禄水苑に着くと、白い壁に黒い瓦屋根の、上品な蔵風の建物が見えてきます。
建物には「竹葉亭」の文字があり、外から見たときはレストランが中心の施設なのかなと思いました。

ところが中に入ってみると、白鷹のお酒などが並ぶショップ「美禄市」や蔵BAR、昔の蔵元の暮らしを伝える展示などがあり、思っていた以上に見どころがあります。
館内はかなり洗練された雰囲気。それでいて落ち着きがあり、暑い中を歩いてきたこともあって、少しほっとしました。
蔵BARで一杯
蔵BARでは、私も一杯だけ試飲しました。
試飲だけの場合はカウンターで立ち飲みするスタイルです。庭にもベンチがありましたが、この日はすでに先客がいたうえに猛暑。外で飲むのはあきらめて、涼しい館内で一杯だけ楽しみました。
銘柄までは覚えていないのですが、純米酒だったと思います。暑い中を歩いたあとに飲んだ、よく冷えたお酒がきりっとしていて、おいしかったことは覚えています。

蔵元・辰馬家の暮らしを伝える展示
館内には、白鷹の蔵元・辰馬家に伝わった生活用品を見ることができる「暮らしの展示室」もあります。
白鷹禄水苑の建物自体も、かつてこの場所にあった北辰馬家の旧宅の資料をもとに、伝統的な商家建築を再現したものだそうです。
江戸時代末から昭和初期に使われていた生活用品や季節のしつらえを見ていると、酒造りそのものとはまた違った角度から、当時の蔵元の暮らしが見えてきます。
展示されている品々からは、辰馬家がこの土地で酒造家として栄えてきた様子もうかがえました。

日本酒を楽しむ講座も
白鷹禄水苑では、見学や試飲だけでなく、日本酒を楽しむ講座や催しも開かれています。
私が訪れたときにも、館内には地元の方らしい女性の姿がちらほら。あとから調べてみると、「レディースSakeサロン」などの講座も開催されていることを知りました。
酒蔵めぐりで一度訪れて終わりではなく、日本酒や酒文化にもう少し触れてみたい人が、また訪れたくなる場所なのかもしれません。
私も、こういう講座にはちょっと興味があります。
営業時間や講座、イベントなどの最新情報は、白鷹公式サイトで確認できます。
白鹿クラシックスに立ち寄る
白鷹禄水苑から歩いて約5分。次に立ち寄ったのは、白鹿クラシックスです。
中に入ると、食事を楽しむ人も、お土産を選ぶ人も多く、かなりにぎわっていました。
白鹿のお酒はもちろん、酒蔵らしいお土産も並んでいて、買い物を楽しみたい人には立ち寄りやすそうです。
私は今回は店内をさらっと見て、次の酒ミュージアムへ向かいました。

ショップやレストランの営業時間、メニューなどの最新情報は、白鹿クラシックス公式サイトで確認できます。
酒蔵館で昔の酒造りと震災の記憶を見る
酒ミュージアムの酒蔵館では、昔の酒造りに使われていた大桶や道具などを見ることができます。
大きな木桶や、ずらりと並んだ道具を見ていると、今のような設備がなかった時代に、人の手で酒を造っていた様子が少しずつ見えてきます。

そして、ここでも強く印象に残ったのが、阪神・淡路大震災についての展示でした。
酒蔵館は、震災で倒壊した酒蔵の跡地に建てられています。館内には、震災で被災した酒蔵の様子を伝える展示も残されています。
沢の鶴資料館でも震災からの再建について知りましたが、西宮郷まで歩いてきて、ここでも震災の記録に出会いました。
酒蔵めぐりをしていると、昔の酒造りだけでなく、灘の酒蔵が震災を乗り越えて今につながっていることにも何度も触れます。

酒蔵の歴史を見るつもりで歩き始めましたが、灘五郷そのものの歴史を見ているような気がしました。
記念館は酒文化や美術の展示が中心
酒蔵館を見学したあとは、道路を渡ったところにある記念館へ向かいました。
こちらは昔の酒造りの道具を見る酒蔵館とは雰囲気が変わり、日本酒に関する歴史資料や美術品、辰馬家が収集した美術品などが展示されています。
企画展や桜に関する資料室もあり、酒造りそのものより、酒を取り巻く文化や歴史に触れる博物館という印象でした。
私は今回は酒蔵めぐりが目的だったので、こちらはさらっと見て次へ向かいました。
西宮郷を歩くと「辰馬」の名前に出会う
白鷹禄水苑で何度も目にした「辰馬」の名前。白鹿の酒ミュージアムへ来ると、ここでもまた辰馬家が登場します。
気になって調べてみると、白鷹の創業者・辰馬悦蔵は、西宮の浅尾家に生まれ、白鹿の辰馬家へ婿養子に入った人物でした。その後独立し、1862年に自ら酒造りを始めたのが白鷹の始まりです。
さらに、悦蔵に生まれた男児は辰馬本家の養子となり、のちに白鹿の十三代蔵元となりました。
白鷹と白鹿。別々の酒蔵として歩いていましたが、その背景にはこんなつながりがありました。
酒蔵を巡っていると、お酒だけでなく、その土地で酒造りを続けてきた「家」の歴史まで見えてくる。西宮郷のおもしろさを、少し知った気がします。
白鷹と白鹿の歴史については、地酒蔵元会「白鷹株式会社|歴史背景」で詳しく紹介されています。
宮水の井戸が集まる一帯も
西宮郷を歩いていると、酒造会社の「宮水」の井戸が集まる一帯があります。
灘の酒造りを支えてきた宮水だけに、立ち止まって見ている人もちらほら。
ただ、観光施設として中を見学できる場所ではなく、私が訪れたときは柵の外から井戸場をのぞく形でした。
酒蔵の展示のような華やかさはありませんが、「この水が灘の酒造りを支えてきたのか」と思うと、西宮郷らしい場所ではあります。
酒造りの背景に興味がある人なら、散策の途中に立ち寄ってみてもよさそうです。

日本盛 酒蔵通り煉瓦館へ
酒ミュージアムから歩いて約15〜20分。最後に向かったのは、日本盛の酒蔵通り煉瓦館です。

名前のとおり煉瓦造りの建物で、私が訪れたときはお客さんが行き来していて、にぎわっていました。
館内には日本盛のお酒やお土産が並ぶショップのほか、ガラス工房もあります。
ガラス工房にも入ってみました。この日は外も猛暑でしたが、工房の中に入るとさらに熱気を感じたのが印象に残っています。
営業時間や試飲、イベントなどの最新情報は、日本盛 酒蔵通り煉瓦館の公式サイトで確認できます。

酒蔵通り煉瓦館にあるガラス工房。制作の様子も見ることができました。館内では日本盛のお酒を試飲することもできますが、今回は試飲せずに売店を見て回りました。
そこで、少し不思議なものを見つけました。
日本盛で獺祭を見つけた
売店に並んでいたのは、山口県の日本酒「獺祭」です。
日本盛まで来たのに、なぜここに獺祭があるんだろう。
館内には、獺祭の櫻井博志氏と日本盛との縁を紹介する掲示がありました。
櫻井氏は大学卒業後の1973年、西宮酒造(現在の日本盛)に入社し、1976年まで勤めていたそうです。その後、旭酒造へ入り、1990年に「獺祭」を発売。
さらに掲示によると、2014年には当時の煉瓦館支配人との縁から獺祭とコラボすることになり、酒蔵通り煉瓦館が獺祭の特約店になったと紹介されていました。
なるほど、それで日本盛に獺祭があったんですね。
西宮の日本盛を訪れて、山口の獺祭につながるとは思いませんでした。
酒蔵を歩いていると、銘柄だけを見ていたときには知らなかった「人のつながり」が見えてくることがあります。

西宮郷の酒蔵めぐりに必要な時間
今回歩いたコースは、白鷹禄水苑、白鹿クラシックス、酒ミュージアム、日本盛 酒蔵通り煉瓦館を巡り、阪神今津駅まで歩くコースです。
所要時間は、休憩を含めて3〜4時間ほどみておくと回りやすいと思います。
西宮郷は見学できる施設が多いうえ、施設間の徒歩移動もあります。特に酒ミュージアムから日本盛までは徒歩約15〜20分。すべて続けて回るより、途中で一度休憩を入れるくらいの予定がおすすめです。
白鷹禄水苑や白鹿クラシックスには飲食できる場所もあるので、ランチや休憩を兼ねて立ち寄るのもよさそうです。
私は猛暑の日に歩いたこともあり、後半になるほど暑さがこたえました。夏に巡るなら、時間だけでなく休憩場所もあらかじめ考えておくと安心です。
展示をじっくり見たり、食事や試飲、買い物まで楽しんだりするなら、半日コースとして余裕を持っておくのがおすすめです。
西宮郷の酒蔵めぐりのアクセス・地図
白鷹禄水苑の場所はこちらです。
初めて西宮郷を歩くときの注意点
実際に歩いて感じた注意点をまとめます。
- ・試飲するなら公共交通機関がおすすめ
- ・酒蔵ごとに営業時間や休館日が違う
- ・施設間は徒歩移動になる
- ・酒ミュージアムは展示を見る時間を確保する
- ・買い物をするなら荷物が増える
- ・食事をするなら白鹿クラシックスで時間を取る
- ・全部じっくり見るなら半日以上を想定する
西宮郷は酒蔵や関連施設が多く、見学しながら歩いていると思った以上に時間がかかります。
特に酒ミュージアムから日本盛 酒蔵通り煉瓦館までは徒歩約15〜20分。今回のコースでは、いちばん長く歩く区間です。
私は猛暑の日に歩いたので、後半になるほど暑さがこたえました。夏に巡るなら、すべて続けて回ろうとせず、白鹿クラシックスでランチをとるなど、途中で休憩を入れるコースにするのがおすすめです。
また、白鷹や日本盛など試飲できる場所もあります。何か所か巡る場合は、一か所で飲みすぎず、最後まで無理なく楽しめる量にしておきましょう。

西宮郷はお酒の背景まで楽しめる酒蔵めぐり
西宮郷の酒蔵めぐりは、日本酒を飲むだけではなく、酒造りの歴史や宮水、西宮という土地そのものを楽しめる旅でした。
今回歩いた白鷹禄水苑、白鹿クラシックス、酒ミュージアム、日本盛 酒蔵通り煉瓦館は、阪神西宮駅から今津駅まで徒歩でつなげられます。
見学や試飲、買い物を楽しみながら巡るなら、3〜4時間ほど確保しておくと安心です。
初めて西宮郷を訪れるなら、ぜひ急がずに歩いてみてください。
酒蔵をひとつ巡るたびに、日本酒を見る目が少しずつ変わっていくはずです。


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