灘五郷は、神戸市から西宮市にかけて酒蔵が集まる、日本を代表する酒どころです。
その中でも御影郷には、菊正宗や白鶴、福寿などの蔵元があり、酒造りの歴史に触れながら見学や試飲を楽しめます。
今回は、菊正宗酒造記念館、白鶴酒造資料館、福寿の蔵元である神戸酒心館を歩いてきました。阪神魚崎駅から三つの施設を巡り、阪神石屋川駅へ向かう半日モデルコースとして紹介します。
御影郷の酒蔵めぐりは半日で楽しめる
御影郷には、菊正宗酒造記念館、白鶴酒造資料館、神戸酒心館など、見学できる酒蔵施設が点在しています。
各施設の最寄り駅は異なりますが、いずれも阪神電車の駅から徒歩でアクセスできます。菊正宗酒造記念館は魚崎駅から約10分、白鶴酒造資料館は住吉駅から約10分、神戸酒心館は石屋川駅から約8分です。
今回紹介するのは、三つの施設を半日で巡るコースです。魚崎郷の二蔵を巡るコースより歩く距離が長いため、見学や食事の時間も含めて、少し余裕のある予定を組むことをおすすめします。
今回歩いた御影郷の酒蔵めぐりコース
今回は、阪神魚崎駅から東西に三つの施設を巡り、阪神石屋川駅へ向かう順路を紹介します。反対方向から歩くこともできますが、神戸酒心館でランチをするなら、今回の順路が組みやすいと思います。

魚崎駅 → 菊正宗 → 白鶴 → 神戸酒心館 → 石屋川駅
阪神魚崎駅へは、大阪梅田駅から直通特急で約30分、神戸三宮駅から約10分が目安です。乗り換えなしでアクセスできるため、大阪方面からも神戸の中心部からも訪れやすい場所です。
時刻表や駅構内の情報は、阪神電車公式ページをご確認ください。
今回のコースは、阪神魚崎駅から菊正宗酒造記念館、白鶴酒造資料館、神戸酒心館の順に歩き、阪神石屋川駅から帰る一方向のルートです。来た道をほとんど戻らずに巡れます。
地図は道順を簡略化しているため、現地ではGoogleマップなども併用してください。
阪神魚崎駅
🚶 徒歩約10分 菊正宗酒造記念館へ向かいます。
菊正宗酒造記念館
🚶 徒歩約10分 見学後、白鶴酒造資料館へ。
白鶴酒造資料館
🚶 徒歩約20分 見学後、神戸酒心館へ向かいます。
神戸酒心館
🚶 徒歩約 8分 阪神石屋川駅へ向かいます。
阪神石屋川駅
三つの施設はそれぞれ最寄り駅が異なりますが、東から西へ順番に歩くことで、来た道をほとんど戻らずに巡れます。魚崎郷の二蔵を巡るコースより歩く距離が長いため、時間と体力には少し余裕を持っておくと安心です。
菊正宗酒造記念館を見学
魚崎駅から歩いて約10分。白壁と瓦屋根の建物が見えてきます。

派手さはありませんが、落ち着いた雰囲気があって、「老舗の酒蔵に来た」という気持ちになりました。
館内へ入ると、最初に目に入ったのが、この灘五郷の案内図でした。

これから巡る酒蔵がどこにあるのか、一目で分かるので、最初に見ておいてよかったと思いました。
ちょうど受付では、スタッフの方が大人数の見学予約について電話で相談していました。
何百人規模という話が聞こえてきて、「そんなに多くの人が見学に来るんだ」と少し驚きました。
館内には木桶や昔の酒造道具が並び、酒造りの歴史をゆっくり見学できます。

その中で印象に残ったのは、阪神・淡路大震災の展示でした。
以前、白鹿でも震災の写真を見ましたが、酒蔵が受けた被害の大きさを知ると、今こうして見学できる建物があることは当たり前ではないのだと感じます。
今回は試飲はせず、展示だけをゆっくり見て次の酒蔵へ向かいました。まだ先にも酒蔵を巡る予定だったので、自分のペースで歩くことを優先しました。
開館時間や休館日、見学については、菊正宗酒造記念館の公式サイトをご確認ください。
白鶴酒造資料館を見学
菊正宗酒造記念館を出て、西へ歩き、白鶴酒造資料館へ向かいます。
周辺には酒造りに使われていると思われる大きな建物や設備が並び、灘が今も酒造りの町であることを感じました。目を上にやると大きな建物の上に「白鶴」とインパクトをうける看板が。

白鶴酒造資料館は、木造の酒蔵らしい外観が印象的です。入口には酒樽が並び、先ほどの菊正宗とはまた違う、力強さのある雰囲気でした。

館内では、昔の酒造りの様子が人形や道具を使って再現されています。米を運ぶところから、蒸す、仕込むといった工程まで、順番に見ていけるようになっていました。
酒造りに詳しくなくても、実際の道具と再現展示を見ながら進めるので、昔の作業の大変さが想像しやすかったです。
見学中には、海外からと思われる団体客も訪れていました。大人数で展示を見て回る様子を見て、白鶴酒造資料館は、日本酒に詳しい人だけでなく、海外からの旅行者にも知られている場所なのだと感じました。

見学を終えたあとは、売店も見ることができます。白鶴のお酒や酒蔵らしい商品が並び、見学の余韻を残したまま買い物を楽しめる場所でした。
開館時間や休館日、見学については、白鶴酒造資料館の公式サイトをご確認ください。

白鶴から福寿へ向かう途中で
白鶴酒造資料館から、福寿の蔵元である神戸酒心館までは少し距離があります。
そのまま歩くだけでは長く感じそうだったので、地図を見ながら途中で立ち寄れそうな場所を探しました。
そこで見つけたのが、手作り豆腐のお店「おかげとうふ庵」と「灘五郷酒所」です。

豆腐店にも立ち寄りましたが、旅の途中で豆腐を買っても持ち歩きに困りそうだったため、今回は外から見るだけにしました。
その先にあった灘五郷酒所は、外から見ても大きなカウンターが印象的でした。店内にはたくさんのお酒が並び、灘五郷のさまざまな銘柄を飲み比べられる場所のようです。

訪れたのはまだ昼前だったため、店内は静かで、男性が一人立ち寄っているだけでした。今回は中には入りませんでしたが、酒蔵めぐりの途中で少し休みながら、いろいろなお酒を試してみたい人には気になる場所だと思います。
ここから再び歩いて神戸酒心館へ向かいます。この区間が今回のコースで最も長く感じた道のりでした。
神戸酒心館へ。正月のリベンジ
そこからさらに歩き、ようやく神戸酒心館に到着しました。

ここを訪れるのは、今回が初めてではありません。以前、正月に訪れたことがあるのですが、その日は休館日で、中に入ることができませんでした。今回はそのリベンジです。
福寿は、ノーベル賞の公式行事で提供される日本酒としても知られています。この日は、敷地内にある蔵の料亭「さかばやし」でランチをすると決めていました。
さかばやしを待ちながら敷地内を散策
到着してすぐにさかばやしへ向かいましたが、店内は満席でした。
席の準備ができたら携帯電話に連絡してもらえるとのことで、それまでは敷地内を見て回ることにします。

外へ出ると、緑の多い庭が広がっていました。木造の建物と草木がよく合い、落ち着いた雰囲気です。写真を撮りながら、売店へ向かいました。
途中で見つけたのが、山田錦の田んぼです。
酒米として名前はよく聞きますが、実際に育っている稲を間近で見る機会はあまりありません。田んぼをこれほど近くで見るのも久しぶりで、どこか懐かしい気持ちになりました。

売店は広く、福寿のお酒をはじめ、酒器や食品などが並んでいました。試飲ができるほか、ソフトクリームも販売されています。

店内をひと通り見たあとは、門の近くにある木のベンチへ。庭を眺めながら腰掛け、さかばやしからの連絡を待ちました。
さかばやしでランチ。至福の時
しばらくすると、席の準備ができたと連絡が入り、さかばやしへ戻りました。
案内されたのは、大きな木のテーブルです。窓の外には庭が見え、落ち着いた雰囲気でした。

メニューを開き、そばにしようと決めたものの、水なすそばにするか、おろしそばにするかで迷います。
さらにメニューを見ていると、水なすの天ぷらを発見しました。
それなら、水なすは天ぷらで味わおうと思い、おろしそばと水なすの天ぷらを注文することにしました。


もう一つ迷ったのがお酒です。
せっかく福寿の蔵元に来たので日本酒も気になりましたが、メニューの中で目に留まったのが、オーク樽熟成ブレンド純米ハイボールでした。

日本酒のハイボールとはどのような味なのか気になり、この日の一杯はこれに決めました。
営業時間や予約については、さかばやしの公式サイトをご確認ください。

最後は福寿の純米吟醸ソフトクリーム
食事を終えたあとは、もう一度売店へ戻りました。
目当ては、先ほど見つけて気になっていたソフトクリームです。
使われているのは、ノーベル賞の公式行事で提供される「福寿 純米吟醸」。その純米吟醸を使ったソフトクリームを、酒蔵めぐりの最後にいただきました。

ランチではオーク樽熟成ブレンド純米ハイボールを選び、最後は福寿の純米吟醸ソフトクリーム。
正月には中へ入れなかった神戸酒心館を、今回は庭の散策から食事、売店までゆっくり楽しむことができました。
営業時間や施設情報は、神戸酒心館の公式サイトをご確認ください。

御影郷の酒蔵めぐりに必要な時間
今回巡った三つの施設の所要時間は、次のとおりです。
- 見学と売店を見るだけなら、1施設30分前後
- 試飲や買い物を含めるなら、1施設45分ほど
- 三つの施設と徒歩移動を合わせて、3〜4時間が目安
- 神戸酒心館の「さかばやし」でランチをする場合は、4〜5時間ほど
私は、菊正宗酒造記念館と白鶴酒造資料館の展示や売店を見ながら歩き、最後に神戸酒心館でランチをしました。
途中で手作り豆腐のお店や灘五郷酒所にも立ち寄ったため、半日かけて巡るコースになりました。
特に、白鶴酒造資料館から神戸酒心館までは少し距離があります。展示をじっくり見たい方や、さかばやしを利用する方は、時間に余裕を持って予定を組むのがおすすめです。
初めて御影郷を歩くときの注意点
実際に歩いて感じた注意点をまとめます。
- 試飲をする場合は、電車や公共交通機関で訪れる
- 夏は帽子、飲み物、日傘などを用意する
- 空腹のまま試飲を重ねない
- 複数の酒蔵を巡る場合は、一杯ずつの量を抑える
- 瓶を購入する場合は、持ち歩く距離と重さを考える
- ランチをする場合は、営業時間や混雑状況を確認する
- 営業日や試飲内容は、訪問前に公式サイトで確認する
今回、菊正宗酒造記念館では、このあとも酒蔵を巡ることを考えて試飲をしませんでした。
酒蔵に着くと、その場で飲みたくなりますが、三つの施設を歩く場合は、どこで何を飲むかをあらかじめ考えておくと、無理なく楽しめます。
また、さかばやしは、私が訪れたときには満席でした。席が空くまで敷地内を見て回ることができましたが、食事を予定している場合は、待ち時間も含めて考えておくと安心です。
御影郷の酒蔵めぐりは、展示も食事も楽しみたい人におすすめ
御影郷を歩いて感じたのは、同じ酒蔵めぐりでも、施設ごとに雰囲気が大きく異なることでした。
菊正宗酒造記念館では、落ち着いた建物と灘五郷の地図が印象に残りました。
白鶴酒造資料館では、昔の酒造りを伝える展示を見学しました。海外からの団体客が訪れていたことも印象に残っています。
そして最後の神戸酒心館では、庭を歩き、山田錦の田んぼを眺め、さかばやしで昼食を楽しみました。
この日選んだのは、おろしそばと水なすの天ぷら。それに合わせたのが、オーク樽熟成ブレンド純米ハイボールです。
酒蔵のレストランだからといって、必ず日本酒をそのまま飲まなければならないわけではありません。気になる飲み方から試してみることも、日本酒に近づく一つの方法だと思います。
食後には、ノーベル賞の公式行事で提供される「福寿 純米吟醸」を使ったソフトクリームも食べました。
展示を見る。酒蔵の町を歩く。食事をする。そして最後に、甘いものを食べる。
御影郷は、日本酒の試飲だけでなく、酒造りの歴史や食事も含めて、半日を楽しみたい人に向いています。
正月に訪れたときには入れなかった神戸酒心館にも、今回は無事に立ち寄ることができました。
御影郷の三つの施設は、それぞれ異なる楽しみ方で、日本酒との距離を少しずつ縮められる場所でした。

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